住宅ローン新規貸出は約5.6兆円

住宅金融支援機構はこのほど、2020年10~12月期の

業態別住宅ローン新規貸出額を公表した。

 

期中の主な金融機関における住宅ローン新規貸出額は、

5兆6,193億円(前年同期比16.5%増)となった。

 

内訳は、国内銀行が3兆9,820億円(同24.2%増)で最も多く、

次いで住宅金融支援機構の「フラット35(買取型)」が

5,740億円(同0.7%増)、労働金庫が4,601億円(同4.1%減)、

信用金庫が4,250億円(同12.3%増)。

最も増加率が大きかったのは国内銀行だった。

2021年3月30日11:01 AM

19年の既存住宅流通量、全国60万戸超に

不動産流通経営協会(FRK)は23日、2019年の既存住宅流通量

推計(速報値)を発表した。法人・個人を問わず、売買により

所有権移転が行なわれた所有権移転登記個数を、総務省の住宅・

土地統計調査をベースに推計した「住宅ストック戸数」と、同

省による固定資産の価格等の概要調書から算出した「非住宅ス

トック棟数」で按分し算出した。

 

19年の既存住宅流通量は、全国ベースで60万4,324件(前年比

8,674件増)。新設住宅着工戸数と比較した既存住宅流通比率

は40.0%(同1.3ポイント上昇)となり、09年の調査開始以来、

初めて4割に達した。「新設住宅着工戸数が減少し、既存住宅

流通推計量が拡大したことが要因」(事務局)と分析している。

 

都道府県別にみると、最も流通量が多かったのは東京都で14万

4,000件(同約1,000件増)。以下、大阪府6万件(同約1,000件

増)、神奈川県5万8,000件(同約2,000件増)と続いた。流通

比率については、京都府が51.8%(同2.3ポイント低下)で最も

高かった。また、東京都は50.8%(同1.0ポイント上昇)と全国

で2番目に高い割合を示し、調査開始以来、初めて過半となった。

ストック件数が蓄積されている1都3県および関西圏で流通比率

が高い傾向にある。

 

東京23区の流通量は12万1,949件(同503件減)となり、東京都

全体の約85%を占めた。流通比率は52.6%(同0.3ポイント上昇)

と、3年連続で5割超となった。法務局出張所の管轄エリア別で

は、「墨田区・江東区」が1万2,970件(同870件増)で最も多く、

流通比率は「渋谷区・目黒区」が62.8%(同0.8ポイント低下)

で最も高くなった。

 

過去数年の新設住宅着工が多かったエリアでは、ストックの蓄

積が影響するのか、その後に流通量が増加する傾向がある」と

コメントしている。

2021年3月26日10:11 AM

令和3年地価公示、コロナ禍直撃6年ぶり下落

国土交通省は23日、令和3年地価公示を発表した。調査

地点は全国2万6,000地点。

 

令和3年1月1日時点の地価変動率は、全用途平均で0.5%

下落(前年1.4%上昇)と、6年ぶりの下落となった。

住宅地は0.4%下落(同0.8%上昇)で5年ぶり、商業地

は0.8%下落(同3.1%上昇)で7年ぶりの下落となって

いる。

 

三大都市圏では、全用途平均が0.7%下落(同2.1%上昇)、

住宅地は0.6%下落(同1.1%上昇)、商業地は1.3%下落

(同5.4%上昇)といずれも8年ぶりに下落へ転じた。

地方圏も、全用途平均が0.3%下落(同0.8%上昇)と4年

ぶりの下落。住宅地は0.3%下落(同0.5%上昇)と3年ぶ

りの下落。商業地は0.5%下落(同1.5%上昇)で4年ぶり

の下落だった。変動幅は、商業地が住宅地より大きく、

三大都市圏が地方圏より大きかった。

 

新型コロナウイルス感染症の影響が直撃した。住宅地は、

取引の減少、雇用・賃金情勢が弱まり需要者が価格に慎

重な態度となったことなどを背景に、全体的に需要は弱

含み。中心部の希少性の高い住宅地や、交通利便性等に

優れた近郊の住宅地で上昇が継続しているが、昨年より

上昇が見られる地域の範囲が狭まった。地方四市をはじ

め地方圏の主要都市では、上昇の継続が見られる等、昨

年からの変動率の変化は比較的小さかった。

 

商業地も、店舗やホテルの需要減退、先行き不透明感か

ら需要者が価格に慎重な態度となったことなどを背景に、

全体的に需要は弱含み。特に、国内外の来訪客増加によ

る店舗、ホテル需要でこれまで上昇してきた地域や、飲

食店が集積する地域では、比較的大きな下落となった。

一方、三大都市圏の中心部から離れた商業地や地方圏の

路線商業地など日常生活に必要な店舗等の需要を対象と

する地域では、上昇地点も見られる等、 昨年からの変動

率の変化は比較的小さかった。

 

都道府県別では、住宅地で変動率がプラスとなったのは

8道県(同20都道府県)、1%以上のマイナスだったのは

11県(同2県)と増えた。商業地は変動率がプラスとなっ

たのが7道県(同24都道府県)、1%以上の下落率を示し

たのは24都府県(同1県)と急増した。

2021年3月25日5:44 PM

2月のレインズ、登録・成約とも前年比マイナスに

不動産流通推進センターは22日、2021年2月の全国の指定

流通機構の活用状況を発表した。

 

同月の新規登録件数は37万8,227件(前年同月比4.3%減)、

成約報告件数は5万7,989件(同6.3%減)と、いずれもマ

イナスに転じた。総登録件数は78万6,791件(同3.6%増)

と、10ヵ月連続のプラス。

 

売り物件は新規登録件数が10万6,737件(同23.0%減)と、

11ヵ月連続でマイナスとなった。成約報告件数は1万6,629

件(同2.0%減)と再びマイナスに転じた。総登録件数は

31万5,424件(同18.6%減)と、8ヵ月連続のマイナス。

 

賃貸物件の新規登録件数は27万1,490件(同5.8%増)と10

ヵ月連続でプラスとなった。成約報告件数は4万1,360件

(同7.9%減)と4ヵ月連続のマイナス。総登録件数は47万

1,367件(同26.8%増)と、9ヵ月連続でプラスとなった。

 

売り物件の取引態様別物件数は、新規登録では媒介契約が

7万9,164件(同17.2%減)。このうち、専属専任が1万2,450

件(同21.6%減)、専任が3万7,251件(同16.3%減)、一般

が2万9,463件(同16.4%減)だった。

 

なお、売り主物件は新規登録が2万6,324件(同35.6%減)、

成約報告が2,822件(同9.4%減)。

2021年3月23日2:10 PM

新たな住生活基本計画が閣議決定

今後の住宅施策の指針となる新たな「住生活基本計画

(全国計画)」が19日、閣議決定された。

 

住生活基本計画(全国計画)」は、おおむね5年ごと

に計画を見直すこととされている。今回の見直しは、

社会資本整備審議会住宅宅地分科会で、2019年9月

から議論を進めてきたもの。計画期間は、令和3~12

年度。

 

「社会環境の変化」「居住者・コミュニティ」「住宅

ストック・産業」の3つの視点から、8つの目標を設定。

施策を総合的に推進する。新型コロナウイルス感染症

の感染拡大を受けた「新たな日常」に対応した二地域

居住等の住まいの多様化・柔軟化の推進、豪雨災害等

に対応した安全な住宅・住宅地の形成、被災者の住ま

いの早急な確保、2050 年カーボンニュートラルの実現

に向けた長期優良住宅やZEHストックの拡充、LCCM

(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)住宅の普及

推進、住宅の省エネ基準の義務付けや省エネ性能表示

に関する規制など更なる規制の強化などを目標に盛り

込んだ。

 

施策の達成度合いを測る「成果指標」は16項目を設定。

新たに「DX推進計画を策定し、実行した大手住宅事業

者の割合(0%(21年)→100%(26年))」「地域防

災計画に基づき、ハード・ソフト合わせて住まいの出

水対策に取り組む市区町村の割合(5割(26年))」

「民間賃貸住宅のうち、一定の断熱性能を有し遮音対

策が講じられた住宅の割合(約1割(18年)→2割(31

年)」などが加わった。

 

既存住宅流通およびリフォームの市場規模については、

従来の目標であった「20兆円」を「長期的目標」とし、

「12兆円(平成30年)→14兆円(令和12年)」へ見直し。

「既存住宅流通量に占めるインスペクション結果等に基

づく情報が消費者に提供される住宅の割合(15%(令和

元年)→50%(令和12年)」も見直した。

2021年3月19日6:58 PM

東京5区の新築マンション価格、標準は最高値に

日本不動産研究所は16日、

「住宅マーケットインデックス2020年下期」の

調査結果を発表した。

アットホーム(株)と(株)ケン・コーポレーションが

提供した賃貸・分譲マンション事例データを基に、

東京23区の新築・既存(築10年)マンションを、

大型(80㎡以上)・標準(40~80㎡未満)・

小型(40㎡未満)に分け、賃料・価格等を

集計・分析した。調査期間は20年7~12月。

 

1㎡当たりのマンション賃料は、都心5区で新築が

大型6,580円(前期比2.1%上昇)

標準4,931円(同0.9%上昇)

小型4,561円(同1.6%下落)。

既存は、大型5,885円(同2.2%上昇)

標準4,522円(同0.8%上昇)

小型4,295円(同1.7%下落)となった。

新築および既存の大型はともにやや上昇し、

調査開始以来最高値となった。

新築および既存の標準は、7期連続の上昇で

最高値を更新。

新築および既存の小型は、前期の最高値より

やや低下した。

 

東京23区では、

新築が大型5,669円(同6.0%上昇)

標準3,562円(同1.3%上昇)

小型3,829円(同0.1%下落)。

既存が大型5,080円(同6.3%上昇)

標準3,298円(同1.1%上昇)

小型3,613円(同0.2%下落)。

新築および既存の大型はともに最高値を更新した。

2021年3月18日5:01 PM

新耐震で8割超が耐震基準満たさず

日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(木耐協)は、

木耐協で実施した木造住宅の耐震診断に関する調査

結果を発表した。

 

対象の住宅は、1950~2000年に着工した木造在来工

法の木造住宅で、2階建て以下。2万7,929棟を調査した。

 

耐震診断の結果、「倒壊しない」は368件(全体の1.3%)

となった。

次いで「一応倒壊しない」が2,002件(同7.2%)

「倒壊する可能性がある」が4,715件(同16.9%)

「倒壊する可能性が高い」が2万844件(同74.6%)

となり、9割超の住宅が現行の耐震基準を満たして

いないことが分かった。耐震補強工事の平均施工金額は

167万7,421円、平均築年数は37.15年。

 

1950~80年築の旧耐震基準住宅は1万3,705件。

そのうち「倒壊しない」が27件(同0.2%)

「一応倒壊しない」が342件(同2.5%)

「倒壊する可能性がある」が1,638件(同12.0%)

「倒壊する可能性が高い」が1万1,698件(同85.4%)

となった。

耐震補強工事の平均施工金額は189万2,208円、

平均築年数は45.73年。

 

1981~2000年築の新耐震基準住宅(81‐00木造住宅)

は1万4,224件。

そのうち、「倒壊しない」が341件(同2.4%)

「一応倒壊しない」が1,660件(同11.7%)

「倒壊する可能性がある」が3,077件(同21.6%)

「倒壊する可能性が高い」が9,146件(同64.3%)

耐震補強工事の平均施工金額は152万3,430円、

平均築年数は28.89年だった。

 

診断依頼者の年齢も調査。

「50歳未満」が885人(同12%)

「50歳代」が1,001人(同13%)

「60歳代」が2,337人(同31%)

「70歳代」が2,212人(同29%)

「80歳以上」が1,085人(同14%)

60・70歳代が多かった。

同組合では、30~40歳代でマイホームを購入し、

築年数が30年以上経過した人からの依頼が多い

ことによるものとしている。

2021年3月8日6:27 PM

景気DI、不動産は3ヵ月ぶりに+

帝国データバンクは、2021年2月の「TDB景気動向調査」

の結果を発表した。有効回答数は1万1,073社。

 

同月の景気動向指数(景気DI:0~100、50が判断の

分かれ目)は、35.8(前月比1.9ポイント上昇)と、

3ヵ月ぶりにプラスに転じた。

緊急事態宣言が10都府県で延長された中、日経平均株価が

30年半ぶりに3万円台へ上昇したほか、輸出用の機械関連や

半導体、電子部品等の生産拡大が影響し、押し上げられた。

 

業種別では、全10業界でプラスとなった。

「不動産」は38.3(同2.8ポイント上昇)と、

3ヵ月ぶりにプラスに転じた。企業からは、

「郊外の人気が高まっている」(不動産代理・仲介)、

「完成在庫がゼロの状態が続いている」(建物売買)

といった声がある一方、「緊急事態宣言発出に伴い、

主な顧客である観光・ビジネス目的の旅行者が動かず、

土産・飲食が非常に厳しい状況」(貸事務所)との声も

あった。

「建設」も40.6(同1.2ポイント上昇)と、3ヵ月ぶりに

プラスに転じた。「東日本大震災からの復興・創生期間

最終年度に当たり、工事が相当数発注されているので、

21年3月まで忙しい状態が続く」(土木工事)等の

コメントが挙がった。

2021年3月5日11:24 AM