買い替えの約58%でプラスの売却差額発生
不動産流通経営協会(FRK)は24日、2022年度の「不動産流通
業に関する消費者動向調査」の結果を発表した。居住用不動産
取得者の取得行動等を把握する目的で1991年から行なっており、
今回で27回目。調査対象は、首都圏1都3県において2021年4月
1日~22年3月31日に購入した住宅の引き渡しを受けた世帯。
有効回答数は1,311件。
住宅購入資金の内訳では、「親からの贈与」を受けた者の平均
額は、新築住宅購入者が998万2,000円(前年比38万5,000円減)
と、前年度よりも若干減少。既存住宅購入者は662万2,000円
(同22万5,000円増)で若干増加した。
借入資金等について見ると、新築住宅購入者の「フラット35」
利用平均額が4,754万7,000円(同831万7,000円増)、「フラ
ット35S」利用平均額も3,478万円(同533万2,000円増)とい
ずれも増加した。既存住宅購入者の「フラット35」利用平均額
は4,156万1,000円(同216万円増)に増加し、「フラット35S」
の利用平均額は3,248万8,000円(同95万円減)に減少した。
買い替えによる売却差額の発生状況については、自己所有して
いた住宅から現在の住宅に住み変えた355世帯のうち、238世帯
(全体の67%)が従前の住宅を売却しており、このうち、購入
額と売却額の回答があった214世帯について売却差額(自己所
有住宅の売却時の価格から購入時の価格を差し引いた額)を整
理すると、マイナスの売却が発生している世帯は35.0%(前年
度比18.7ポイント減)と減少し、プラスの売却差額が発生して
いる世帯は58.4%(同20.9ポイント増)と増加した。
住宅購入にあたり探した住宅について聞くと、新築住宅購入者
では、「新築・既存にはこだわらなかった」が26.6%(同9.3
ポイント増加)、既存住宅購入者でも52.5%(同5.5ポイント
増加)といずれも増加している。既存住宅購入者に購入理由を
聞いたところ、「希望のエリアだったから」(69.3%)、「手
頃な価格だったから」(61.2%)、「良質な物件だったから」
(46.8%)が上位を占めた。一方、新築住宅購入者が既存住宅
を購入しなかった理由については、「新築の方が気持ちが良い
から」(62.2%)、「好みに合う既存物件がなかったから」
(42.3%)が上位となり、3位は「長く住むつもりだから」
(30.0%)となったが、この回答割合は3年連続で減少して
いる。
重要事項説明や売買契約締結においてのIT利用について、今後
住宅購入する際のIT重説の利用意向について聞くと、「利用し
たいと思う」が全体の35.7%となり、若いほど利用意向が高か
った。利用したいと思う理由については「不動産会社に行く手
間が省けるから」(86.1%)が多かった一方、利用しない理由
としては「住宅購入にかかわる大事なことなので、対面での説
明が良い」(75.2%)という回答が多かった。
2022年10月24日7:13 PM