住宅資金贈与の優遇拡大
政府は消費増税で落ち込んだ住宅市場を立て直すため、贈与税の非課税制度を拡充する方針。現在は親などから住宅購入資金をもらった際、最大1千万円まで贈与税がかからない優遇措置がある。国土交通省は2015年度の税制改正で非課税枠を3千万円に引き上げるよう求め、財務省と調整に入る。財務省には税優遇の大幅拡大に慎重な声もあり、1500万円から3千万円の間で調整が進みそうだ。高齢世代から若者世代へ資金移転を促して、個人消費全体を刺激する狙いもある。
-贈与税の非課税-
父母や祖父母などの直系尊属から住宅購入資金の贈与を受けた際、一定の条件を満たせば、贈与税が一定額まで非課税となる。
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平成24年
省エネ・耐震住宅 1500万円 一般 1000万円
平成25年
省エネ・耐震住宅 1200万円 一般 700万円
平成26年
省エネ・耐震住宅 1000万円 一般 500万円
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このように平成26年現在、贈与税の非課税分は一般住宅が500万円まで、省エネ・耐震住宅は最大1000万円までとなっていますが、
この上限金額が2015年の税制改正により、最大3000万円まで引き上げられる可能性が出てきたようです。
-住宅資金贈与の優遇拡大-
通常110万円を超えた贈与額は課税対象となりますが、政府はその非課税の範囲を住宅資金の贈与に限り特別に拡大(リーマン・ショック後の景気対策の一環として09年に導入)し、今回、非課税額の範囲をさらに広げようとする動きを見せています。
-消費税10%-
来年にはさらなる消費税の増税が予定されています。
住宅などの高額商品は増税の影響をダイレクトに受けますが、4~6月期の国内総生産では、住宅投資は実質ベースで前期比10.3%も下落。この数字のインパクトは予想以上に大きかったのでしょう。政府にとって対策は急務となっています。
一方で経済政策もすでに頭打ちといった感があり、このまま来年の増税を迎えれば、住宅市場に吹雪が吹き荒れることは容易に想像がつきます。そこで、今回の改正案が重要なポイントとして位置づけられているのです。
-住宅資金の贈与税非課税制度は活用されている?-
そもそもこの制度は活用されているのかというお話ですが、2013年の利用者が前年比18.5%増、非課税の金額が5767億円と1.1%増えていることからも、一定の効果があったと判断できます。
さらに冷え込む市場の打開策として、住宅業界からも贈与税の非課税制度の大幅な拡充が叫ばれており、非課税枠を最大3千万円にすることの意味は少なくないようです。
2014年12月16日2:23 PM