令和3年地価公示、コロナ禍直撃6年ぶり下落
国土交通省は23日、令和3年地価公示を発表した。調査
地点は全国2万6,000地点。
令和3年1月1日時点の地価変動率は、全用途平均で0.5%
下落(前年1.4%上昇)と、6年ぶりの下落となった。
住宅地は0.4%下落(同0.8%上昇)で5年ぶり、商業地
は0.8%下落(同3.1%上昇)で7年ぶりの下落となって
いる。
三大都市圏では、全用途平均が0.7%下落(同2.1%上昇)、
住宅地は0.6%下落(同1.1%上昇)、商業地は1.3%下落
(同5.4%上昇)といずれも8年ぶりに下落へ転じた。
地方圏も、全用途平均が0.3%下落(同0.8%上昇)と4年
ぶりの下落。住宅地は0.3%下落(同0.5%上昇)と3年ぶ
りの下落。商業地は0.5%下落(同1.5%上昇)で4年ぶり
の下落だった。変動幅は、商業地が住宅地より大きく、
三大都市圏が地方圏より大きかった。
新型コロナウイルス感染症の影響が直撃した。住宅地は、
取引の減少、雇用・賃金情勢が弱まり需要者が価格に慎
重な態度となったことなどを背景に、全体的に需要は弱
含み。中心部の希少性の高い住宅地や、交通利便性等に
優れた近郊の住宅地で上昇が継続しているが、昨年より
上昇が見られる地域の範囲が狭まった。地方四市をはじ
め地方圏の主要都市では、上昇の継続が見られる等、昨
年からの変動率の変化は比較的小さかった。
商業地も、店舗やホテルの需要減退、先行き不透明感か
ら需要者が価格に慎重な態度となったことなどを背景に、
全体的に需要は弱含み。特に、国内外の来訪客増加によ
る店舗、ホテル需要でこれまで上昇してきた地域や、飲
食店が集積する地域では、比較的大きな下落となった。
一方、三大都市圏の中心部から離れた商業地や地方圏の
路線商業地など日常生活に必要な店舗等の需要を対象と
する地域では、上昇地点も見られる等、 昨年からの変動
率の変化は比較的小さかった。
都道府県別では、住宅地で変動率がプラスとなったのは
8道県(同20都道府県)、1%以上のマイナスだったのは
11県(同2県)と増えた。商業地は変動率がプラスとなっ
たのが7道県(同24都道府県)、1%以上の下落率を示し
たのは24都府県(同1県)と急増した。
2021年3月25日5:44 PM