改正建設業法の省令公布、経営管理責任体制、組織での確保に規定
国土交通省は10月1日に施行する改正建設業法の施行
規則(省令)を28日公布する。建設業の許可要件と
なっている経営業務管理責任者のうち、経営管理
責任体制の確保を「組織」に求める場合、常勤役員
と補佐者を置くと規定。適正な社会保険に加入する
すべての適用事業所・事業として厚生労働省に届け
出ていることを許可要件にする。一部規定を除き
改正業法の施行と併せて10月1日に施行する。
昨年6月公布の改正建設業法は、経営業務管理責任者
に関する規制の合理化や円滑な事業承継制度の創設
など、技術検定制度の見直し以外の規定が10月1日に
施行される。
「建設業法施行規則および施工技術検定規則の一部
を改正する省令」は施行日ごとに2種類。10月1日施行
分として28日に公布した省令は、経営能力の許可要件
の経営業務管理責任者に関する基準を規定。現行の
建設業経営の5年以上の経験を「個人」に求める場合
は、これまでの建設業の職種ごとの区別を廃止し建設
業の経験として統一する。
「組織」で経営管理責任体制の確保する場合、常勤
役員とそれを補佐する者を置く。常勤役員は建設業
経営の役員経験2年以上を含む、5年以上の役員経験など
を求める。残り3年は▽建設業の役員または役員に次ぐ
職制上の地位▽他業種での役員-のいずれかの経験を
有する者とする。常勤役員を補佐する者は5年以上の
「財務管理」「労務管理」「運営業務」の経験を求め、
1人が複数の経験を兼ねることも認める。
適正な社会保険への加入を許可要件とする。健康保険、
厚生年金保険の適用事業所すべて、雇用保険の適用事業
すべてについて厚労省に届け出ていることが要件。労働
者ごとの加入までは要件としない。改正業法では、これ
まで任意だった作業員名簿を施工体制台帳の書類の一つ
に位置付ける。省令には作業員名簿の記載事項を規定
する。
経営事項審査(経審)に関する規定も改正する。評価項目
として建設業者による技術者・技能者の知識や技術、技能
の向上の取り組み状況を追加。審査項目のうち「建設業の
経営に関する状況」を見直し、継続的に専門的な講習を
受講した公認会計士や税理士などと規定。建設業の経理
業務が遂行できる者を対象に講習を行う登録経営講習実施
機関を創設する。経審の規定は21年4月1日に適用する。
2020年8月30日10:25 AM