国土交通白書、「防災・減災」「地域の移動手段確保」に向け展望
国土交通省は26日、「令和2年版国土交通白書」を公表した。
今年は同省発足20年目の節目を迎えることから、今回の白書
では「社会と暮らしのデザイン改革」をテーマに、発足から
これまでの環境変化と、それに対する取り組みを振り返ると
ともに、将来予測や国民意識調査結果を踏まえ、今後、国土
交通行政が向き合うべき課題と方向性を展望している。
既往の調査や国民意識調査を整理・分析した結果を踏まえ、
「激甚・頻発化する災害への対策」、「地域の移動手段の
確保」等を、今後、向き合うべき課題として提示。
取り組みの方向性として、災害対策については、気候変動に
よる災害リスクの増加や巨大地震リスクを課題に挙げ、国民
目線で分かりやすい抜本的・総合的な対策を講じ、また分野
横断的に平時から非常時、復旧・復興時まで行政・企業・
住民が連携し対応することで、「防災・減災が主流となる
社会」の実現を目指す。
地域の移動手段については、人口減少に伴う輸送人員減少が
要因で事業者の経営が厳しくなることを課題とし、将来に
おいても地域の移動ニーズに応えられる持続可能な交通サー
ビスの体制や形態を確立する必要性を示唆。上下分離方式、
他の事業者との合併・共同経営、自家用有償旅客運送への
転換や、まちづくりと一体となった効率的な交通ネットワーク
形成など、今後の取り組みの方向性を示した。
なお、現下の課題である新型コロナウイルス感染症に関して、
白書の冒頭に特集として取り上げ、これまでの経緯や取り
組み、国土交通分野への影響と対策を紹介するとともに、
今後の対応を掲載している。
2020年6月30日11:26 AM