国交省:改正業法省令案。社保加入適用事業所の届け出を許可要件に
国土交通省は建設業法施行規則(省令)と関係告示の
改正案をまとめた。建設業許可要件となっている経営業
務管理責任者のうち経営管理責任体制の確保を「組織」
に求める場合、常勤役員とそれを補佐する者を置くと
規定。適正な社会保険に加入するすべての適用事業所・
適用事業として厚生労働省に届け出ていることを許可要件
とする。経営事項審査(経審)に関する規定も見直す。
意見募集を経て、6月に公布する。
昨年6月公布の改正建設業法は、経営業務管理責任者に
関する規制の合理化や円滑な事業承継制度の創設など、
技術検定制度の見直し以外の規定が10月1日に施行される。
2021年4月1日には技術検定制度の見直しを施行し、21年度
試験から新しい技術検定制度になる。
建設業法施行規則等の一部を改正する省令案と関係告示の
改正案は、施行日ごとに2種類。10月1日施行予定の改正案
では、経営能力の許可要件の経営業務管理責任者に関する
基準を規定。現行の建設業経営の5年以上の経験を「個人」に
求める場合は、これまでの建設業の職種ごとの区別を廃止し、
建設業の経験として統一する。
「組織」で経営管理責任体制を確保する場合、常勤役員と
それを補佐する者を置く。常勤役員は5年以上の役員経験を求める。
このうち建設業経営の役員経験2年以上が必要で、残りの期間は
建設業の役員または役員に次ぐ職制上の地位。他業種での役員-の
いずれかの経験でも構わない。常勤役員を補佐する者は5年以上の
「財務管理」「労務管理」「運営業務」の経験を求め、1人が複数の
経験を兼ねることも認める。
適正な社会保険への加入を許可要件とする。健康保険、厚生年金
保険の適用事業所すべて、雇用保険の適用事業すべてについて厚労省
に届け出ていることが要件。労働者ごとの加入までは要件としない。
改正業法では、これまで任意だった作業員名簿を施工体制台帳の書類
の一つに位置付ける。省令案には作業員名簿の記載事項を規定する。
経審に関する規定も改定。評価項目として、建設業者による技術者・
技能者の知識や技術、技能の向上の取り組み状況を追加する。審査項目の
うち「建設業の経営に関する状況」を見直し、継続的に専門的な講習を
受講した公認会計士や税理士などと規定。建設業の経理業務が遂行できる
者を対象に講習を行う登録経営講習実施機関を創設する。経審に関する規定
は21年4月1日に適用するが、登録経営講習実施機関の登録申請は10月1日と
する経過措置を講じる。
21.年4月1日施行予定の省令案には、新しい技術検定の受験申請に関する
添付書類などを規定する。
2020年5月14日5:03 PM