日建連:CCUS普及推進策。請負額1億円以上は現場登録、就業履歴の蓄積支援へ
日本建設業連合会は、建設キャリアアップシステム
(CCUS)の普及・活用に向けた2020年度の推進方策を
まとめた。技能者の就業履歴の蓄積を支援するため、
会員企業の現場登録とカードリーダーの設置をさらに
促進。国土交通省が描く23年度からの「あらゆる工事で
のCCUS完全実施」を目指し、少なくとも請負金額1億円
以上(残工期の短い工事を除く)の全現場で現場登録する
ことを基本とした。
CCUSが本稼働を開始して1年が経過した。3月末時点
の現場登録は累計約1万5000カ所、技能者登録は約22万
人で、その大半が日建連会員に関係するとみられる。
カードを所有する建設技能者の増加に伴い、「現場に
カードリーダーがないため、就業履歴の蓄積ができない」
といった声が上がる一方、「所有していてもカードタッチ
が不十分」との指摘もある。
推進方策ではこの現状を踏まえ、会員企業に現場登録
やカードリーダー設置の徹底を求めた。日建連ロード
マップで定めた21年3月末の中期目標に就業履歴蓄積の
目標を追加し、登録現場での総カードタッチの割合(就業
履歴蓄積率)50%以上を目指す。施工体制台帳登録ととも
に下請への指導も要請した。
CCUS普及に熱心な下請に優先発注する方針を盛り込んだ。
運用基準として現場登録する工事の請負金額の基準や下請に
求める技能者登録率、就業履歴蓄積率の基準を定め下請に
公表する。
10月の改正建設業法施行をにらみ、CCUSを活用した社会
保険加入状況の確認を原則とする。CCUSと建設業退職金
共済(建退共)制度の一体的な普及への協力や国交省らが
発注するCCUS義務化モデル工事などへの積極的な参加も
呼び掛けた。
2020年5月7日11:23 AM