厚労省:解体・改修工事の石綿飛散防止対策強化へ省令改正に着手
厚生労働省は、建築物の解体・改修によるアスベスト
飛散防止対策の強化に向け、労働安全衛生法の基づく
石綿障害予防規則(省令)の改正作業に着手する。有識者
検討会の報告書を踏まえ、石綿の含有にかかわらず事前
調査の結果を届け出る制度の創設や、除去作業の記録と
保存の義務化などを規定する方向。省令案を夏ごろにも
取りまとめる予定だ。
厚労省は「建築物の解体・改修等における石綿ばく露
防止対策等検討会」がまとめた報告書を公表。事前調査
の充実・強化。事前調査結果などの届け出の新設。除去
作業時のばく露防止措置の強化。作業計画に基づく作業
の実施状況の記録の義務化などが盛り込まれた。
工事前に実施する石綿有無の調査対象を明確化。木材
や金属、ガラスのみで構成され、明らかに石綿を含ま
ない場合は対象から外す。くぎ打ちなど軽微な損傷に
とどまるほか、壁材や塗料など新たな建材で覆う作業の
場合も対象外とする。
調査実施者の資格要件には、建築物石綿含有建材調査者
講習などの講習修了者、それと同等レベルの知識・経験
を持つことを新たに規定。要件を満たす人材が十分確保
できない現状を踏まえ、関係省令の改正から施行まで
3年程度の猶予期間を設ける。
調査結果は3年間の保存を義務付ける。併せて床面積が
60㎡以上または請負金額100万円以上の解体・改修工事は、
労働基準監督署への届け出を義務化。建築物に加え煙突
やトンネル天井板といった特定工作物も対象とする。
除去作業時に隔離が義務付けられている吹き付け石綿
や石綿含有保温材などは隔離解除の規定を厳格化。除去
完了を適切に確認できる者(石綿作業主任者など)の確認
なしでは解除できないようにする。
2020年4月16日10:08 AM