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国交省:「労務費見積り尊重宣言」モデル工事を全国展開。技能者の処遇改善を後押し

国土交通省は2020年度、一部の地方整備局で試行して

いる「『労務費見積り尊重宣言』促進モデル工事」を

全国展開する。労務費を内訳明示した見積書を尊重する

優れた企業にインセンティブを付与。工事の入り口

(総合評価方式)と出口(工事成績評定)の両面で評価

する。元請が下請の見積もりを尊重し、下請が適正な

労務賃金を支払う取り組みを後押しすることで、技能者

の処遇改善につなげる。

日本建設業連合会(日建連、山内隆司会長)は、労務費

を内訳明示した1次下請会社からの見積書を尊重する

「労務費見積り尊重宣言」を18年9月に発表し、実施要領

を同12月に策定した。20年度事業計画には技能者の処遇

改善を重点実施事業に位置付け、労務費見積り尊重宣言

の定着を図る。

こうした取り組みを踏まえ、国交省は関東地方整備局

の発注工事で「『労務費見積り尊重宣言』促進モデル

工事」を試行。対象は当面、一般土木工事(WTO政府

調達協定対象)のうち、段階的選抜方式の総合評価を適用

する案件。1月に2件の工事を公告した。

発注者は総合評価方式の入札契約手続きの審査基準日

までに、日建連会員を問わず参加する企業が「労務費

見積り尊重宣言」を決定し公表したことを確認。入札書類

に決定した事実などが分かるホームページの写しなどを

添付してもらう。下請への見積もり依頼で労務費を内訳

明示する誓約書の提出を求め、内容を確認する。両方の

条件を満たす場合、技術評価を1点加点する。

工事完成検査や成績評定時に、元請と下請が交わした

見積書を数社程度抜き取り、内容を確認する。調査対象は

1次下請との契約のうち、下請金額3500万円以上。総合評価

方式の技術評価で加点措置を受けていたにもかかわらず、

労務費の内訳明示がなかった場合は工事成績評定を3点減点

する予定。見積書に加えて、注文書で労務費の内訳を明示

していた場合は2点を加点する見通し。

国交省は建設業の「新3K」(給与・休暇・希望)を実現

するため、直轄工事でモデル工事などの取り組みを推進。

この一環として、技能者の処遇改善を後押しする「労務費

見積り尊重宣言」促進モデル工事を全国的に実施する考えだ。

2020年4月7日11:01 AM