国交省:ICT施工基準類を改定・新設工種拡大。BIM・CIMも積極活用へ指針
国土交通省は建設現場の生産性向上策i-Construction推進
のための基準要領などを制定・改定した。ICT(情報通信技術)
の活用拡大に向け、測量や施工管理に関する基準類を拡充。
発注者がBIM/CIMを活用することを前提に、実施要領や活用
指針を制定した。入札契約手続きから納品までの基準類も整備。
成果品の品質を高め、データの引き継ぎをよりスムーズにする。
国交省は2016年度、直轄の土工事でICT土工を本格導入。17、
18、19年度と対象工種を拡大。ICT活用工事の拡大に向け、20年
度は、地盤改良(深層混合処理工)。のり面工(吹き付けのり枠工)
(舗装工(修繕工)-の3工種の基準類を制定・改定した。
測量分野では「車載写真レーザー測量システム」を用いて3D
点群測量を行うための標準的な作業方法を規定したマニュアル(案)
を新設。港湾分野では、3Dデータを用いた港湾工事数量算出要領
(基礎工編)。ICT機器を用いた測量マニュアル(ブロック据え付け工)
の2基準を新たに策定した。
産学官が連携して提案・作成した基準類は▽空中写真測量(無人
航空機)を用いた出来形管理要領《土木編》(案)。地上移動体搭載型
レーザースキャナーを用いた出来形管理要領《土木編》(案)。地上
写真測量(動画撮影型)を用いた土工の出来高算出要領(案)。3D計測
技術を用いた出来形計測要領(案)-の四つを制定。国交省は産学官
連携の取り組みを今後も継続する考えだ。
BIM/CIMの活用に向け、実施要領や活用指針を制定・改定。受発
注者双方にとって分かりやすく内容を整理し、発注者向けの規定を
明確にした実施要領を新規策定。従来の指針を「導入」から「活用」
の視点で再整理して新しい指針を整備するとともに、従来指針も全般
的な見直しや内容を拡充。21年度には従来の導入指針を、新しい活用
指針に組み込む。
実施方針では建設生産・管理システムで一貫した3Dデータの活用を
前提に、原則適用の範囲を広げる。活用をさらに後押しするため、
発注者におけるBIM/CIM実施要領(案)。BIM/CIM活用ガイドライン(案)
CIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)導入
ガイドライン(案)。データ交換を目的としたパラメトリックモデルの
考え方(素案)-などを整備した。
「入札・契約・積算」「モデル作成」「監督・検査・成果品納品」の
各段階で用いる基準類を制定・改定。新たに、土木工事数量算出要領(案)
に基づくBIM/CIMモデル作成の手引(案)。3Dモデル表記標準(案)に基づく
3DAモデル作成の手引(案)。設計-施工間の情報連携を目的とした4Dモデル
活用の手引(案)。BIM/CIM活用工事における監督・検査マニュアル((案)
BIM/CIMモデル等電子納品要領(案)および解説-の五つを制定した。
2020年3月29日2:16 PM