不動産取引、登記手続きのデジタル化へ課題抽出
未来投資会議 産官協議会が、9日に行なわれた。
今回の会合では、法人設立のワンストップサービス
や国税の電子申告などの法人手続きのデジタル化・
自動化、子育て手続きの自動化、不動産取引・登記手続き
のオンライン化について、関係官庁が制度・取り組みの
現状を報告。関連サービス提供事業者がその実績と、
各分野のサービスのデジタル化・オンライン化に向けた
課題を提起した。
法務省は、不動産登記手続きにおける提出書面の電子化
について報告。法人の会社法人等番号を提供することで、
申請を受ける登記所が当該法人の管轄登記所と異なる場合
を含め、法人の登記事項証明書、申請書等に記名押印した
者の印鑑証明書の添付を不要とする取り組みについては、
令和元年度中に実現予定とした。不動産登記申請は完全
オンライン化による申請が制度上も仕組み上も実現でき
るとしながらも、申請情報や添付情報に付ける電子証明
書の普及を課題とした。
国土交通省土地・建設産業局不動産業課は、ITを活用
した重要事項説明の現状について報告。賃貸取引に係る
IT重説は2017年10月より開始しており、19年末までに
行なわれた約6万件の重説について、特段のトラブルは
見られていないとした。また現在、法人間売買取引
(2015年8月~)、個人を含む売買取引(2019年10月~
2020年9月末)の2つの社会実験を実施中であるほか、
賃貸取引における重要事項説明書等の電子化についての
社会実験を19年10~12月末にかけ実施した。これについて
は、メールに添付したファイルが開けない、ファイルが
受領できない、添付した資料が分かりづらいといったトラ
ブルが若干見られたという。同省は、「ITを活用した重要
事項説明に係る社会実験に関する検証検討会」を3月以降に
開催し、電子化に向けた宅建業法35条、37条の方向性を
議論する方針。
2020年3月10日9:43 PM